感情を動かし記憶する

· 塾長の指導観・雑感

那須塩原市西那須野の高校受験・大学受験塾 本松学習塾塾長のブログ

中学の時の修学旅行の時の光景、卒業式の思い出、部活の大会で負け、涙したあの日のこと・・・。

卒業してから何十年も経ったのに、今でもはっきりと覚えています。

誰しもそういう記憶はあると思います。数日前の昼食は覚えていないのに、何年も前の記憶が鮮明に残っているって本当に不思議です。

この謎を解く鍵はズバリ「感情」です。

私たちは何万年も昔から重要な情報を、歓喜や悲しみ、恐怖や驚きといった強い感情と密接につなげる傾向にあります。

人類発祥の頃、「この山を越えたら、毒蛇が大量に潜んでいて、死ぬほど怖い思いをした」

「あの湖には食べるとおいしい魚がたくさんいて、うれしかった」

このように昔の人にとっては、生死と感情は切っても切り離せない関係にありました。生き残るために、強い感情と結びついた情報を長い間記憶しておいたほうが圧倒的に有利になります。

そして、そのような遺伝子を受け継いでいるのが私たちです。

最初の例のような出来事をずっと覚えていられるのは、「一生に一回の修学旅行楽しい!」「あれだけ大会に向け頑張ってきたのに結果が出ずに辛い」というように、強い感情と結びついているからなのです。

記憶には感情が密接に関わっています。ではそれをどのように勉強に活かせばよいでしょうか。

それは「脳みそにインパクトを残すようにに真剣に覚えて、真剣にテストをする」ってことです。

「こう思ってたんだけど実は違うのか!(意外性)」「なるほど、そうなんだ!(驚き)」、「そういう仕組みになっているんだ、面白い!(興味)」、といった感情を伴うようにして脳みそにインパクトとを残す。まずそれが大事です。

そして絶対に満点をとると決めて、繰り返し勉強する。なかなか覚えられずに悔しい思いになる。それでも諦めずに何度も挑戦しつづける。さらにテストでは少しでも多く点を取るために、最後まで必死になって解き続ける。

その結果、満点が取れた時は大きな喜びを感じるでしょう。もし取れなくても悔しさと全力を尽くした満足感は残るはずです。これだけ感情が動けば、覚えた内容は記憶の中に残り続けます。

「自分は記憶するのが苦手だ…」と思っているほとんどの子は、感情が動くほど真剣に覚えていませんし、真剣にテストを受けていません。練習はさらってしてテキストを読むだけ。テストもできそうな所を淡々と埋めるだけ。

これでは全力を尽くした満足感も、できなかった悔しさも感じません。

もちろん感情がまったく動いていないから、記憶にも残りにくくなってしまいます。

真剣に覚えて、真剣にテストを受ければ感情が動きます。感情が動けば、記憶量は間違いなく増えていきます。

これまでどうだったかは関係ありません。今に気持ちを向け全力を尽くすことです。