那須塩原市西那須野の高校受験・大学受験塾 本松学習塾塾長のブログ
勉強の才能があり、素直でひたむきな生徒がいます。
そんな生徒に出会うと、不思議なことに、保護者の方が特に熱心でなくても、指導者は自然と情熱を注ぎ込むようになるのです。
この現象の本質は、指導者の中に眠る「教育者としての本能」が呼び覚まされることにあります。
毎回の授業で示される理解力の高さ、問題への真摯な取り組み姿勢、知識を吸収しようとする純粋な意欲。
そういった様子を目の当たりにすると、この生徒をどこまで伸ばせるだろうか、という期待が自然と湧いてくるのです。
そして、より興味深いことに、保護者の方が必要以上に教育に介入されないケースでは、むしろ理想的な学習環境が生まれます。
指導者と生徒の間で交わされる知的な対話、課題への挑戦、新しい発見の喜び。
これらが、保護者の過度な期待や不安に邪魔されることなく、自然な流れで展開されていくのです。
私の経験では、このように「保護者は見守り役に徹し、指導者と生徒が二人三脚で進む」というパターンで、最も大きな成長を遂げた生徒が数多くいます。
「なぜそうなるの?」という素朴な疑問から始まった対話が、いつの間にか予定の終了時刻を超えて続いている。
目の前の教科書を離れ、その学びが人生にどうつながるのか、という深い話へと発展していく。そんな知的興奮に満ちた時間が、結果として受験突破の原動力にもなっているのです。
これは、決して保護者の関心の低さを推奨するものではありません。
むしろ、我が子の教育に対する深い信頼と理解があってこそ成り立つ関係性です。
つまり、才能ある子どもの教育において、保護者の過度な関与を控えることが、時として最高の教育環境を作り出すのです。
教育の現場で、この意外な法則は繰り返し証明されています。
保護者の方々には、時にはあえて一歩引いて見守ることが、お子様の可能性を最大限に引き出すカギとなる―そんな新しい視点を持っていただければと思います。