夢の大学と現実の壁

子どもたちの意識改革が必要な理由

· 塾長の指導観・雑感

那須塩原市西那須野の高校受験・大学受験塾 本松学習塾塾長のブログ

私たち大人が気づいていない、あるいは見過ごしがちな現実があります。それは、子どもたちが考える「行きたい大学」に入学するために必要な努力の量が、彼らの想像をはるかに超えているという事実です。

 

例えば、ある生徒が「有名な国公立、早慶、最低でもMARCHに行きたい」と言ったとします。しかし、その生徒の現在の学習量は、必要な1,000のうちわずか100程度かもしれません。この認識のギャップが、後々の挫折や失望につながるのです。

 

昔、ある高校2年生との会話で印象的だったことがあります。

彼は「僕は毎日3時間勉強しているから、きっと○○大学に入れるはず」と自信満々に話していました。しかし、実際に○○大学に合格している生徒の多くは、中学生の頃から1日5時間以上の学習を積み重ねてきているのです。

 

このような現実と認識のズレは、なぜ起こるのでしょうか。

 

1. 情報の不足:多くの生徒は、本当に必要な勉強量を知らされていません。
2. 早期教育の重要性の軽視:難関大学への道は、実は小学生、遅くとも中学生の時点から始まっています。
3. 「公立進学校神話」:良い公立高校に入学できれば、自動的に難関大学へ進学できるという誤解。

 

では、私たち大人に何ができるでしょうか。

 

まず、早い段階から現実的な情報を提供することが重要です。「この大学に行くためには、こんな準備が必要だよ」と具体的に示すことで、子どもたちは目標に向けて計画的に取り組めるようになります。

 

同時に、単なる勉強量の増加だけでなく、学ぶことの本質的な価値を伝えることも大切です。「なぜこんなに勉強しないといけないの?」という疑問に対して、「君の将来の選択肢を増やすためだよ」と答えるのもいいですが、学ぶこと自体の楽しさ・知らないことがわかるようになることに対す爽快感みたいなものを話すのもいいことです。

 

さらに、大人自身が楽しく学んでいる姿を子どもに見せるのも最高の教育の一つです。

 

最後に、挫折を恐れずにチャレンジすることの大切さも忘れずに伝えましょう。時には目標を達成できないこともありますが、その過程で得られる経験や知識は、必ず子どもたちの人生の糧となります。

 

私たち大人の役割は、子どもたちの夢を潰すことではなく、その夢を現実的な目標に変え、実現に向けてサポートすることです。早い段階からの適切な情報提供と励ましが、子どもたちの未来を大きく変える可能性があるのです。