現状に満足か。

· 塾長の指導観・雑感

那須塩原市西那須野の高校受験・大学受験塾 本松学習塾塾長のブログ

成績を上げるために、長時間の学習時間が必要というのはいうまでもないことです。

ただ、勉強時間を闇雲に増やすだけでは十分成果が出ません。

何事もそうですが、結果を出すためには、現状を変えたいという強い欲求(=現状への不満)が必要です。

嫌々勉強している子は、そういった強い欲求がありません。親に言われたから、テストが近いからなどという理由で仕方なく、勉強時間だけ長くしている子がいます。

残念ですが、それでは結果はでません。仮にある程度の結果が出たとしても長続きはしないのです。

まずは、現状に対する不満がなければ、変えたいという欲求は生まれません。

授業についていけない自分。先生の言うことがよくわからない自分。学校の授業はわかるもののテストになると解けない自分。学年トップ10に入れない自分。

そういった自分でいいのか。ということです。果たして今の自分で満足なのか。

出発点は常にそこにあります。

今のままでは駄目だ、という気持ちは、自分を大切にする気持ちがないと出てきません。

自分を大切に思うからこそ、自分に厳しくなれるのです。本当の自分はこんなものではないと思えるのです。

自分なんかこんなもんだ、と諦めてしまっていては、たとえ満足のいく結果がでなかったとしても、所詮こんなもんだ、思ってしまいがちです。

では、どうすれば自分自身を大切に思う気持ち=自己肯定感が育まれるのでしょうか。

これはなかなか難しい問題です。

他人が本人に対し、「自分を大切に思いなさい、自己肯定感を持ちなさい」と言ったからといってすぐに、そういう気持ちになれるわけではありません。

では、どうするか。

まずマイナスなことを止めてみる。

「なんでこんな点数しか取れないの」

「なんでこんな簡単な問題すらわからないの」

「せっかく塾に行かせてるのに、お金がもったいない」

「私は学生の時勉強してたのに、なんであんたはこんなに勉強しないの」

「テスト前なのにもう勉強止めちゃうの」

このような声かけをしたとして、本人の自己肯定感は上がるでしょうか。

マイナスのことを止めて、本人との太い信頼関係を気づけるように努めることです。

そして、それができたならば、本人の中に、信頼する人の言葉を受け入れる準備ができはじめます。

その時になったら堂々と導いてあげることが大事です。

「あなたならできるんじゃない」

「あたなにはその能力があると思うよ」

もちろん、自分が本気で思っていない言葉を子供にかけても、その嘘は子供に伝わってしまうので意味はありません。

ただ、自分が心の底から本人に対して思っていて、なおかつ本人を導いてあげられる言葉。

それをこの瞬間に本人に正面からぶつけてみましょう。

それでもなお、他人が本人に自己肯定感を持たせることは簡単ではありません。

ただ、やれるべきことをまずはやってみる。

その心構えが保護者に求められることなのだと思います。