当塾が成績保証をしないわけ

· 塾長の指導観・雑感

那須塩原市西那須野の高校受験・大学受験塾 本松学習塾塾長のブログ

5月に入り、新規入塾の生徒も徐々に塾での勉強に慣れてきたようです。

3月、4月とたくさんの塾の広告が新聞折り込みで入ってきました。(当塾も1回チラシを入れました)

広告を見ると、「成績保証」を掲げる塾も多く存在しています。

ただ、当塾では「成績保証」という制度は存在しません。

学習塾には、様々な社会的意義を担っているとは思いますが、成績を上げることが学習塾のメインの役割です。

成績を上げるために塾に通う以上、当塾はそのために全力で指導していますし、「塾の指導にしたがって」勉強できた生徒は、例外なく成績を上げています。

しかし、成績が上がるのは「塾の指導にしたがって」勉強できた生徒であって、塾の指示にしたがわず、好き勝手に勉強する生徒ではありません。

そもそも、好き勝手に勉強してきて成績が上がらないから通塾を検討しはじめるわけです。そのような生徒の成績が上がらないのは当然です。

成績保証制度を採用している塾は、無条件で成績保証をして返金している訳ではなく、保証に一定の条件を付けています。

たとえば、「欠席をしない、宿題忘れをしない、入塾後4か月以内の定期テストまで」などです。

よく考えると、欠席をせず、宿題をしっかりやってくれば、普通成績は上がります。

今まで、勉強習慣がなかったり、的外れな勉強をしてきた子が、塾の用意した宿題をやればほとんんどの生徒の成績は当然上がります。

成績が上がってあたりまえの状況で、「成績保証」するといっても、あたりまえのことを保証しているに過ぎないと感じます。

また、成績は無限に上がり続けることはありません。

塾に入って成績が上がった子も、さらに上に行くには、現状維持期間、停滞期間などを経ます。

平均点程度で入塾した生徒が、停滞することなしに毎回毎回必ず成績を上げ続け、最終的に学年1位になることは、まずありません。

そこで、効いてくる条件が「入塾後4か月以内の定期テストまで」のような期間の条件です。

入塾直後の成績が上がりやすい期間のみに限定することで、保証の対象になりにくくなっているわけです。

さらに、「保証」の内容に目を向けてみると、返金や一定期間無料で指導という形式で保証する塾がほとんでです。

しかし、仮に返金するとして、お子さんに適当な指導をされて、本来は合格できたであろう志望校に合格できなかったときに「返金します」と言われて、納得できるでしょうか?

仮に、お金を全額返金されても、失われた時間や機会が戻ってくることはありません。

 

つまり、返金や無料指導によって何のリスクも保証はできていないわけです。

 

塾は、いったん入ってしまうとコロコロ変えることがなかなか難しいのが特徴です。

ものを買って、不具合があるので交換しますという性質の「保証」とは訳が違うのです。

 

さらに、無料指導中も講師には時給が発生しています。その給料の元となっているのは、「一生懸命塾に通って成績を伸ばした生徒の授業料」です。

成績が伸びなかった生徒は授業料を支払わないわけですから。

つまり、保護者の立場から見れば、真面目にやらなかった他の生徒の無料指導分の授業料をあらかじめ上乗せして支払っていることになるわけです。
 

このように考えると、成績保証制度は意味がない制度にとどまらず、真面目に成績を上げた子を犠牲にする制度だと言えます。

したがって、当塾は成績保証を行わないのです。